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不育症と鍼灸治療

当院で不妊鍼灸を受けられている方の中には、「着床まではするけど、流産を繰り返してしまう、、、。」というお悩みの方も多いです。
不育症・習慣性流産の原因としては、子宮の奇形などの形態異常が関係したり、血液凝固障害や膠原病などの全身疾患や、夫婦や胎児の染色体異常、男性側の感染症が原因であることもあります。
しかし、検査をしても明らかな異常が見つからない方も6割程度いらっしゃいます。
そのような方の主な原因としては、
・ホルモンバランスの異常
・五臓のうちの「腎」の機能低下
・冷えによるもの
・ストレス  
などが挙げられます。

このような、検査をしてもはっきりとした原因がないけど流産を繰り返してしまう方にこそ、より鍼灸治療は生かされてきます。
東洋医学での不育症や習慣性流産は「滑胎(かったい)」と呼ばれています。
不育症や不妊症は、五臓のうち「腎」と深い関係があります。
腎とは、命の源となる力を蓄えているところであり、発育・生殖に大きく関わりがあります。この働きを活性化させるツボを刺激することによって体のバランスを整えていき、赤ちゃんが育ちやすい環境を作ります。
また、妊娠時はいろいろな事に対して敏感になりがちで、いつもよりストレスが溜まりやすい状態にあります。それに加え、流産を経験した方にとっては不安も大きいものです。
心が不安定になると、母体だけでなく赤ちゃんの発育にも影響を及ぼします。鍼灸治療には心を安定させる効果があり、ストレスの緩和につながります。
さらに鍼灸治療で血流を改善することで、体もぽかぽかになり、赤ちゃんが育ちやすい環境を整えてあげることが出来ます。

鍼灸治療の特徴は、病気そのものではなくおひとりおひとり自身を診る点です。
治療法に患者さんを当てはめるのではなく、患者さんに合わせてより良い治療法を選ぶことで、妊娠を維持しやすくなります。

不妊鍼灸の具体的なタイミングと効果

今回は当院にもお問い合わせが多い不妊鍼灸の通院ペースと効果的なタイミングについて書いていきたいと思います。

不妊の原因としては様々ですが、大きく分けると2つに分けられます。

1つは生殖器などに問題があるもので、例えば卵管が詰まっている、子宮筋腫や卵巣腫瘍がある等の「器質的な不妊」と呼ばれるものです。
このような場合は不妊治療や妊活を始める前に病気を治すことが先決となりますので、まずは医療機関にご相談ください。

2つめは、生殖器に問題はないが妊娠に至らない「機能的な不妊」です。
現代医学でも、はっきりとした原因は解明されていませんが、本来ならしっかりと働くはずの体の機能がうまく働かない状態になっているため、結果的に不妊になっているのではないかと考えられています。

当院の不妊鍼灸治療の目的としては、妊娠に必要な体の機能を取り戻すと共にその状態をキープさせること、です。
効果的な通院の仕方を以下に簡単に説明いたします。
週に1~2回を目安に通院していただくのが理想的です。
特に採卵前や移植前後などは通院頻度を上げていただくと効果的です。
 
◎具体的なタイミングと効果
当院では月経周期に合わせて適切なタイミングで施術を受けて頂くことをおすすめしております。各施術のタイミングには以下のような意味があるため、周期に合わせて施術をすることが大事です。

①生理中
生理中に施術を受けていただくことで、古い血や内膜の排出を促し、ホルモンバランスを整え、卵胞の発育を促進し次の周期に備えることが出来ます。
また、月経痛緩和などの効果もあります。

②排卵前
卵胞の発育を促進し、子宮内膜の厚さの向上、子宮内を着床しやすい環境に整える効果があります。

③タイミングや人工受精後
タイミング法や人工授精ごの施術は、子宮内膜の厚さの維持し、子宮内を着床しやすい環境に整え、着床を促進します。

④生理前
順調に受精卵が進んでいれば、着床が行われてる時期です。 血流を促進し子宮内膜に栄養をおくり着床維持がしやすい体づくりをサポートします。

2.体外受精や顕微授精をされている方
体外受精や顕微授精をされている方も、基本的にはタイミング法と人工授精と同じく月経周期に合わせて施術を受けて頂いております。

また、胚盤胞移植の場合は、移植日前日や当日に施術を受けることで着床率が高くなるという研究報告がある為、可能であれば移植日前後に施術を受けて頂くことをおすすめします。

妊活とストレス

不妊治療中は、期待と不安が入り混じり、大きなストレスを抱えがちです。
なかなか結果が出ない焦り、治療費の負担、周囲の無理解など、様々な要因が重なり、心身共に負担がかかりやすいです。

ストレスは、自律神経の乱れを引き起こし、ホルモンバランスや免疫機能に悪影響を与えることもあり、
結果として、妊娠しづらい状態を招いてしまう可能性もあります。

だからこそ、不妊治療中は、ストレスと適切に向き合い、心身の健康を保つことが重要です!!

ストレスは、視床下部-下垂体-性腺系と呼ばれるホルモンの分泌に関わるシステムに影響を与えます。
このシステムは、排卵や月経周期の調整に重要な役割を果たしており、ストレスによって乱れると、ホルモンバランスが崩れ、排卵障害や着床障害などの不妊の原因となる可能性もあります。

鍼灸は、東洋医学に基づいた伝統的な治療法であり、近年では不妊治療との併用で注目を集めています。

鍼灸は身体に鍼を刺したり、お灸で温熱刺激を与えることで、自然治癒力を高め、様々な症状の改善を促すとされています。

不妊治療においても、鍼灸は身体全体のバランスを整え、妊娠しやすい体づくりをサポートする効果が期待できます。
体外受精や顕微授精などの高度生殖医療を受けている方が、鍼灸を併用することで、妊娠率の向上や治療中の体調改善を実感するケースが多いです。
鍼灸は、身体への負担が少ない自然療法として、古くから東洋医学で用いられてきました☆
自律神経の調整や血流改善、ホルモンバランスの調整作用などが期待できるため、不妊治療との併用で相乗効果が期待できます。

また、鍼灸治療と並行して、適度な運動、バランスの取れた食事、質の良い睡眠を心がけることが大切であり、心身ともに健康な状態を保ち、妊娠しやすい体づくりにつながります(*’▽’)

適度な運動が妊活におすすめな理由。

運動でミトコンドリアを活性化!!
ミトコンドリアは卵子の質や妊娠に大きく影響する要素です。
ミトコンドリアの働きが良ければ、卵子の質が良くなり、妊娠しやすい状態が作られると言われています。

ミトコンドリアを活性させるのに大切なのは、程よい量の活性酸素。
活性酸素は非常に不安定な酸素の一種で、増えすぎると、細胞を老化させたり、がん化させるなど、体に害を及ぼします。
一方で、程よい量の活性酸素は、ミトコンドリアを活性化させ、体に良い作用があることが分かっています。
適量の活性酸素を発生させるためにおすすめなのが、ウォーキングやヨガなど、心拍数が少し上がる程度の軽めの運動です。
息が切れるほど走ったり、歯を食いしばって筋トレしたりするのは、活性酸素が増えすぎてしまうので妊活向きではありません。
軽めの運動を楽しみながら行いましょう!
運動には冷えの改善や、ストレス解消、睡眠の質の向上など、嬉しい効果がたくさんあります♡
出来れば1日30分程度のウォーキングを週3回以上を目標に頑張ってみましょう☆

不妊鍼灸について

今回は一番お問い合わせが多い不妊鍼灸コースについての説明を少し書いていきたいと思います。

当院では特に不妊鍼灸の成績向上に力を入れています。
過去の経験を活かしながらも、お一人お一人の体質はすべて異なることを考慮した上で、東洋医学の特徴でありメリットでもあるオーダーメイドの施術を心がけております。

治療のペースの理想としては、週2回ですが、治療の効果が期待できる限度としては週1回〜10日に1回の施術のペースになります。

治療期間の目安としては、鍼灸治療の効果がでる(妊娠に結び付く)のは早くて3カ月、一般的には半年~1年ほどで効果がでる方が多いです。

また、可能であれば、夫婦そろって施術を受けていただくとより効果的かと思いいます。

「はり」と「お灸」と聞くと、痛い、熱いというイメージの方も多いと思いますが、当院は「はり」髪の毛ぐらい細さで、「お灸」もお灸の下に台座ががついているタイプを使用しておりますので、リラックスして心地いい鍼灸治療を受けていただけるかと思います。

また、不妊鍼灸治療を続けていくうちに、体質が改善され、肩こりが軽くなったり、生理周期が整い、生理痛もよくなったり、冷え性も改善したりと諸症状の改善も期待できます。

妊活中の方は鍼灸治療も選択肢の一つとして考えていただければ、幸いです。

妊活と冬の養生

11月に入り、一気に季節が進み寒くなってきましたね。本当に急に寒くなり、体かついていかないですね(;´∀`)
さらに、今年は雪も多くなるという予想も出ていますね。。。

日本の冬は乾燥してとても寒くなります。風邪やインフルエンザなどの感染症も冬に多くなるイメージがあると思います。妊活中、寒さに負けず健康的な生活を送るためにはどのようなことに気を付けると良いのか少し書いてみたいと思います☆

妊活や不妊治療では基本ですが、とにかく冬は身体を冷やさないようにすることが大切です。東洋医学では五行論の考え方として、冬の寒さは”腎”を傷めやすくするとされています。

”腎”には成長や生殖活動、水分調節に関わる働きがあり、髪の毛や骨、腰とも関係しているとされています。腎を傷めてその働きが衰えると身体が浮腫んだり、骨が脆くなったり、髪の毛が少なくなったり、足腰が弱くなったりと老化の現象がお身体に現れます。そして不妊症の原因にもなります。

ですので、冬はできるだけ温かく過ごしましょう。入浴はぬるめの温度でゆっくり浸かることをお勧めします。熱いお湯ですと、戦闘モードの交感神経が刺激されてしまいます。シャッキっとリフレッシュしたい時には熱いお湯が良いですが、芯までしっかり温まりたい時はぬるめのお湯にゆっくり浸かってください。長湯が苦手な方は少し熱めのお湯で足湯をお勧めします。

また、食養生も大切です。
食べ物も身体を温める作用の強い冬の野菜、特に根菜類がお勧めです。生野菜のサラダなどは、身体を冷やしやすいので避ける方が良いでしょう。また火を通すことで食べ物が持つ性質も変わりますので野菜をたくさん摂りたい時にはお鍋が良いでしょう。郷土料理などは昔からその土地に伝わる食養生になりますので、積極的に取り入れることをお勧めします。緑黄色野菜などの色の濃い食べ物は気血を補うと言われているので元気がない時は良く噛んで食べると良いでしょう。

冬は次に来る「陽」の季節である春夏に向けて、パワーを蓄える時期になります。寒さから身を守りエネルギーを内に秘め、陽の季節に活発に動きだすために生命エネルギーの回復を図ります。汗をたくさんかくような激しい運動は控え、ウォーキングやストレッチなど、少しずつお身体を動かすようにしましょう。ラジオ体操なども、全身を伸ばしたり動かしたりする動作がコンパクトにまとめられているので、ちょっとした空き時間にやってみるのもお勧めです。

もうすぐ本格的な冬がやってきます。年末年始などで忙しい時期だとは思いますが、無理をして頑張り過ぎないようにご自分のお身体と向き合いましょう。そして疲れを感じたら、しっかり温まってゆっくり休んで体力の回復を図りましょう。温めることと休むこと、簡単なようで忙しい毎日ではなかなか出来ていないこともあると思います。
春に向けてのエネルギーを蓄えるためにも、このことを頭の片隅に入れて生活していただければと思います(^^♪

妊活と睡眠時間

妊活中の方の理想的な睡眠時間は7~8時間と言われています☆

妊活中の睡眠時間が妊娠率に影響する理由として、ホルモンの分泌が考えられています。
睡眠はホルモンの分泌と関係があり、妊活に重要なホルモンも睡眠によって分泌されるためです!

妊活中に8時間程度の睡眠をとることは、妊娠率を上げることにつながります。
適切な睡眠は、妊娠に重要なホルモンの分泌を促し、ストレスの解消にもつながります。
妊活中は仕事との両立もあり睡眠時間を確保するのが難しい場合も少なくないかと思います。
無理せずにストレスにならない範囲でぜひ睡眠習慣の見直しも行ってみてください☆

男性の睡眠時間も精子の質に関わり、とても大切です。男性の方も適切な睡眠時間を心がけましょう!

また、睡眠時間はしっかりと確保できていても質が悪く、睡眠障害の状態にある方も多くいらっしゃいます。
睡眠障害とは具体的には以下のようなサイン・症状があり、十分な睡眠を確保できない状態のことです。
・なかなか寝付けない
・夜中に何度も目が覚める
・朝早く目が覚め、寝付けない、、、など

このような場合は軽い運動を取り入れたり、湯船に入って身体を温めたり、寝る前のスマホえを控えたりと生活習慣を少し見直してみることも大切です。
さらに鍼灸治療は、睡眠の質を上げることに効果的です。
身体をリラックスさせる効果が高いため、治療当日はよく眠れると言われます。 1週間に1回程度の鍼灸治療によって自然治癒力を高め、自律神経やホルモンバランスを調整して、仕事や家事で疲れた心身をリセットすると効果的です☆

嬉しいご報告♡

「立春」も過ぎ、暦の上では春が始まりましたね!
実際はまだまだ寒い日が続きますが、日も長くなり、少しずつ春の気配を感じられるようになりました♪

2023年を迎え、妊娠・ご出産の嬉しいご報告も頂いております☆
こちらとしても本当に嬉しいです!!

不妊治療中は体への負担はもちろんですが、精神的にもとても負担がかかりやすいです。
妊活に限らず、健康でいるためには、「心」と「体」両方が健全な状態であることがとても大事なことです。

これからも、はりとお灸を通じ「心」と「体」のバランスを整え、妊活中の方々のお力になれるよう、頑張っていきたいと思っています!!

第10回医鍼連帯研修(婦人科疾患)オンラインで開催

先日、オンラインで行われた第10回医鍼連帯研修に参加しました。
本来ならば、東京大学医学部付属病院で開催される予定でしたが、コロナの影響でオンラインでの開催となりました。
オンラインでの開催でしたが、講師の先生達は有名な方ばかりで、さらに実技の動画もしっかりと見る事ができ本当に勉強になりました。

今回は特に不妊症の方に対する鍼灸治療でのアプローチの方法を勉強しました。
年々不妊症の方は増加傾向にあります。
晩婚化の影響や、食生活の変化やストレス社会、生活様式の変化など原因は様々です。
また、不妊症と言うと女性の疾患と思われがちですが、男性が原因の場合も多いです。

不妊症の方が増えてきている今、不妊症に対する鍼灸治療も注目を集めています。
不妊治療中に鍼灸治療に期待できることとしては
・妊娠率の向上
・卵子・精子の質の向上
・ホルモンの分泌調整
・子宮内膜の厚さの改善
・血流の改善(子宮内・全身)
・不定愁訴の改善
・副作用の改善
・体調管理
・ストレス改善
などが挙げられます。

当院には、「まだ病院での治療を開始していない方」~「体外・顕微受精を行っている方」まで様々な段階の患者様が通院されています。
鍼灸治療は基本的にはどの段階の方でも治療の時期を問わず治療が可能です。
また、男性の方も治療を続けていくと精子の質の向上が期待できます。
ご夫婦で治療されるとより効果的です。
治療は男性の方は男性のスタッフ、女性の方は女性のスタッフが担当制で行いますので安心してご来院下さい。

鍼灸治療はまだまだマイナーな存在かもしれませが、もっとメジャーになり不妊で悩む方の選択肢の1つになれば嬉しいです。

※現在、当院では患者様が安心して治療を受けていただけるよう、新型コロナウイルスの感染症対策に力を入れています。
また、完全予約制であるため、患者様同士の接触をが最低限になるようにご予約をお取りしております。

秋田市 鍼灸院・美容鍼 はな鍼灸整骨院

東洋医学からみる妊活

今回は東洋医学の観点から見た「妊活」について書いていきたいと思います。

女性も男性も妊活には『腎』が大切です。

東洋医学でいう「腎」とは若さを保つ命のエネルギーのこと。
これは、「アンチエイジング」という言葉で、美容にも健康にもよく使われています。
妊活においてはこの「腎」がとても重要な鍵となります。

腎には生命エネルギーの根源といわれています。腎精は組織や器官を構成し、「気」「血」「津液」などとともに、生命活動や生理機能を維持しています。東洋医学では古くからこの腎精の変化が「誕生〜発育~成長~老化~死」という人の一生に深く関わっていると考えられてきました。

「腎」(腎精)は二つの精から成り立っています。
1つは「先天の精」、もう1つは「後天の精」です。

「先天(せんてん)の精」: 父母から受け継いだ生命エネルギー。母親のお腹の中の胎児時期から存在。
「後天(こうてん)の精」: 生後、主に飲食物から補う精

「腎」は加齢により、腎の力はカーブを描きながら衰えていき、年齢によって気になる症状が現れやすくなります。この状態を「腎虚」と言います。
腎は生殖機能とも深い関りを持っているため「腎」のエネルギーは妊娠のために必要になってくるのです。

出生時に「先天の精」を授かって生まれ、出生後、主に飲食物から「後天の精」が補われます。成長と共に、「腎精」の気が充足して満ちていくと、生殖器を発育させ生殖能力を高め、女性は月経、排卵、妊娠、出産ができ、男性は精子を産生すると考えられています。
ここで理解しておきたいことは、腎精は貯蔵するだけではなく、日々消費されるものだということです。生命活動をしているだけで消化される腎精ですが、睡眠不足やストレス、バランスの悪い食生活などは精を減らし、精を浪費していることになるのです。

私たちの生命活動にとても大切な腎精は、生命活動をしているだけで日々消費します。けれど、この腎精は補うこともできるのです。
腎精を補うためには、バランスの良い食事・睡眠・運動が大切です。
この三つは普段の生活の中で自分なりに心がけることができます。

そして、さらに取り入れて欲しいのが「鍼灸」です。
腎のバランスが崩れると、妊娠する力、妊娠を継続する力が弱まることから、不妊症では腎の機能を高め、腎の陰陽のバランスを調整することを一番に重視します。
妊娠力の高い体を作るために「はりとお灸」は有効です。
妊活の選択肢の1つとして「鍼灸」治療を検討していただけると幸いです。

※現在、当院では患者様が安心して治療を受けていただけるよう、新型コロナウイルスの感染症対策に力を入れています。
また、完全予約制であるため、患者様同士の接触をが最低限になるようにご予約をお取りしております。