東洋医学からみる妊活

今回は東洋医学の観点から見た「妊活」について書いていきたいと思います。

女性も男性も妊活には『腎』が大切です。

東洋医学でいう「腎」とは若さを保つ命のエネルギーのこと。
これは、「アンチエイジング」という言葉で、美容にも健康にもよく使われています。
妊活においてはこの「腎」がとても重要な鍵となります。

腎には生命エネルギーの根源といわれています。腎精は組織や器官を構成し、「気」「血」「津液」などとともに、生命活動や生理機能を維持しています。東洋医学では古くからこの腎精の変化が「誕生〜発育~成長~老化~死」という人の一生に深く関わっていると考えられてきました。

「腎」(腎精)は二つの精から成り立っています。
1つは「先天の精」、もう1つは「後天の精」です。

「先天(せんてん)の精」: 父母から受け継いだ生命エネルギー。母親のお腹の中の胎児時期から存在。
「後天(こうてん)の精」: 生後、主に飲食物から補う精

「腎」は加齢により、腎の力はカーブを描きながら衰えていき、年齢によって気になる症状が現れやすくなります。この状態を「腎虚」と言います。
腎は生殖機能とも深い関りを持っているため「腎」のエネルギーは妊娠のために必要になってくるのです。

出生時に「先天の精」を授かって生まれ、出生後、主に飲食物から「後天の精」が補われます。成長と共に、「腎精」の気が充足して満ちていくと、生殖器を発育させ生殖能力を高め、女性は月経、排卵、妊娠、出産ができ、男性は精子を産生すると考えられています。
ここで理解しておきたいことは、腎精は貯蔵するだけではなく、日々消費されるものだということです。生命活動をしているだけで消化される腎精ですが、睡眠不足やストレス、バランスの悪い食生活などは精を減らし、精を浪費していることになるのです。

私たちの生命活動にとても大切な腎精は、生命活動をしているだけで日々消費します。けれど、この腎精は補うこともできるのです。
腎精を補うためには、バランスの良い食事・睡眠・運動が大切です。
この三つは普段の生活の中で自分なりに心がけることができます。

そして、さらに取り入れて欲しいのが「鍼灸」です。
腎のバランスが崩れると、妊娠する力、妊娠を継続する力が弱まることから、不妊症では腎の機能を高め、腎の陰陽のバランスを調整することを一番に重視します。
妊娠力の高い体を作るために「はりとお灸」は有効です。
妊活の選択肢の1つとして「鍼灸」治療を検討していただけると幸いです。

※現在、当院では患者様が安心して治療を受けていただけるよう、新型コロナウイルスの感染症対策に力を入れています。
また、完全予約制であるため、患者様同士の接触をが最低限になるようにご予約をお取りしております。